練習方法・理論

トレーニングのリスクとリターン

6/2のインターバルトレーニング(400m×10)でふくらはぎ痛を発症してしまい、回復に約2週間を要してしまいました。ようやく痛みはなくなりましたが、僅かな違和感があり、おそるおそるジョグを再開しています。

調子が良い中での怪我により春シーズンを打ち切らざるを得ず、非常に悔しい怪我となってしまいました。本格的に練習を再開する前に今回の怪我の教訓をまとめておきたいと思います。

 

トレーニングにおけるリスク×リターンの管理

ランニングにおいて「無駄な怪我」をしないためには、リスク×リターンをうまくコントロールすることに尽きると感じています。

トレーニングの合理性をリスクとリターンそれぞれの高低で整理すると、以下のようなイメージでしょうか。

 

<トレーニングの合理性を判断するためのリスクとリターンの関係>

つなぎのジョグ以外で練習の柱にしたいのは「高リターン×低リスク」(青ゾーン)の練習、常に避けたいのは「低リターン×高リスク」(赤ゾーン)です。

例えば、負荷・頻度が適度にコントロールされたポイント練習は青ゾーン、月間走行距離確保のためのロングジョグ、インターバルの連発は赤ゾーンと言えると思います。

狙ったレースの1ヶ月前など、勝負どころで「高リターン×高リスク」(黄色ゾーン)の練習に取り組むことは、リターンに対してリスクが見合っている限り(それが超重要)は合理的と思います。

私はレースに出ながら状態を上げていくスタイルのため、シーズンが進んでいくにつれて、青⇒黄色に意識的に移行させて行く(=ポイント練習の頻度と負荷を上げていく)ことが多いです。

個人的な考えですが、黄色ゾーンの練習に取り組んで怪我をした場合、ある意味「覚悟を伴う玉砕」であるため、スッキリと受け入れられる気がします。一方、赤ゾーンの練習が怪我の要因になった場合、後悔が生まれてしまいます。

「高リターン×高リスク」(黄色ゾーン)の練習をしているつもりでも、実際には「低リターン×高リスク」(赤ゾーン)の練習となっていることもあります。その場合怪我をしてもスッキリと受け入れられ、後悔もしない(=成長できない)ため、練習の継続という観点から最も避けるべき状態です。

 

今回なぜ怪我をしてしまったか

今回の怪我の伏線は5/30の5000mのレースにあります。詳細は別記事を見て頂ければと思いますが、当日ゲリラ豪雨に当たってしまい、満足の行く結果を得られませんでした。
(厚底16’45のPBに対して、大雨・強風・スパイクで16’48の結果)

川口選手権5000mに出場 - マラソン・陸上長距離奮戦記 (marathon-runner.com)

コンディションが悪いなかでそこそこ走れたという手応えも得たレースであり、「もう少し追い込めば公認でも16分20秒、6/27の非公認レースでは16分1桁が狙えるのではないか?」という色気が出てしまい、予定していなかった6/12の公認レース(Genjo打破)への参戦を急遽決めてしまいました。

5/31のレースを踏まえた6月のプラン

  • ★急遽追加★6/12 Genjo打破(公認) 5000m ・・・16分20秒!?が狙えるのでは
  • 6/27 まるおカップ 5000m ・・・16分10秒切り!?が狙えるのでは

急遽予定していなかったレースを入れたことで、レース翌日(消極的休養のことが多い)の5/31と6/1に連続でロングジョグを入れてしまいました。
(一応有酸素能力の回復と、「身体を重くして6/2のインターバルをセット練習と位置づけよう」という狙いではありました)

6/2は狙い通りアップ段階から脚が重く、400mインターバルのペースの割には追い込めている感じもありましたが、6本目にふくらはぎ痛を発症してしましました。

怪我直前の練習メニュー

日曜日(5/30):5000mレース
月曜日(5/31):22kmジョグ
火曜日(6/1):16kmジョグ
水曜日(6/2):400mインターバル(6本目にふくらはぎ痛を発症)

 

5/31、6/1のロングジョグに意味があったか

5/31、6/1にロングジョグを入れましたが、2つの観点でリスクの割にリターンが低かったと思っています。

①有酸素の回復・向上という観点では、6/1のジョグが短く中途半端だった
(疲労が溜まった割に効果は低かったかも)

②10日後にレースを控えている段階で、2日ロングジョグ+インターバルのセット練習をやること自体が無駄だった
(ロングジョグのどちらかを1日休んで、6/2のインターバルの負荷を上げた方が意味のある練習だったのでは?)

結局、レース結果にとらわれて思いつきで「低リターン×高リスク」に手を伸ばしてしまったことで2-3週間を失ってしまった感があり、「やってしまったなぁ...」という反省が残っています。

 

低リターン×高リスクなことをやらないようにするためには

シーズンは計画的に

まずはシーズンの目標と練習・レース間隔をしっかり決めておくことが重要と思います。

調子が良いからと言って欲張り「大幅PB更新」を狙って練習の負荷や頻度を上げることで、確実に故障のリスクは上がるように思います。

SNS的には目立ちますし反響も得やすいですが、「PB大幅更新」を狙うこと自体が少しおかしいのかなと反省しています。
(自分のレーススケジュールを踏まえると、1回のレースで更新できる5000mのタイムの目安は10-15秒が最大であるように思います)

リスク把握には経験が必要だが、リターン把握は可能

リターン÷リスク=トレーニングの合理性と考えた時、リターンとリスクの両方が変数になってしまうと、判断の軸とすべき「トレーニングの合理性」に大きなブレが生じてしまいます。ブレを抑えるためには、変数の両方/少なくとも片方を定数化する必要があります。

今回の経験を基に、「今日の練習は何のための練習か」について常に根拠を持っておくことで、トレーニングによるリターンを「定数化」しておきたいと強く思うようになりました。

「自分の身体がどこまで持つのか」(=リスク)を把握するのは意外に難しいように思います。ランニングのキャリアが・怪我歴が豊富な方であれば、「この疲労度はマズい」と判断できると思いますが、ランニング歴が短い/ブランクが長い場合、リスクの正しい把握が難しい気がします。

今後、何度も怪我をすればわかってくるのかもしれませんが、自分が成し遂げたいものを考えると何度も怪我をして学ぶほどの時間も残されていません。

一方、高リターンを得るための方法論は理論としてかなり共有されています。リターンを完全に「定量化」することまではできなくても、「定数化」(少なくとも高リターンなのか、低リターンなのかを把握)することは可能な気がします。

今後、「低リターン×高リスク」のトレーニングによる怪我をしないよう、リターンの定数化は常に意識しておきたいと思います。

  • この記事を書いた人

KOTA

戦略コンサル業の引退を機に2020年(34歳)より本格トレーニングを再開。 マラソン3時間12分39秒、5000m17分53秒だった私が、30代後半でマラソン2時間30分切り、5000m14分台、1500m3分台の全ての達成を目指す挑戦を記していきます。

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